2025年度(2025年1月1日~2025年12月31日)の年次報告「JOY111号」が完成しました。
ESAの1年間の現地での教育支援事業や、国内活動の様子、皆さまからお預かりしたご寄付の使い道などについて記載しています。ぜひご一読ください。
2025年度の教育支援事業より(JOY111号より)
チッタゴンの女性のエンパワメントプロジェクト
ESAはバングラデシュのチッタゴンで、ESAはバングラデシュのチッタゴンで、ジョナキ小学校を運営すると同時に「将来は母となる村の女性たちの社会的意識の向上と経済的自立」を目標とし、女性のエンパワメントのプロジェクトをサポートしてきました。この10年以上にわたる活動で女性の意識の変化、そして保守的な農村において弱い立場の女性が収入を得るスキルを身に着けたことは大きな成果と言えます。
Women’s Empowerment 女性の自立支援プロジェクトの完了にあたって—ジョナキ小学校運営責任者 ワフィル・カーン



研修内容
当初は、村の女性たちや学校を中退した少女たちを対象に、絞り染めの研修から始まりました。その後は、手作りアクセサリーや、身の回りで手に入る資源を再利用したサステナブル製品・小物、装飾品など、多様な分野の研修を実施してきました。中でも、裁縫と絞り染めの分野では多くの技術者を育成することに成功しました。
研修は雨季の終わる8月ごろから、翌年3月まで週4日実施し、受講者一人ひとりに質の高い指導を行うため、1回の研修に参加する人数を増やしすぎないよう配慮してきました。
伝統工芸の伝承
近年では、軽量キルト(カンタ)作りの技術も指導しました。カンタは、伝統的ながら衰退しつつある手工芸の一つです。もともと女性たちが、日常の出来事を語り合いながら空き時間に集まり、少しずつ一枚のカンタを縫い上げ、家庭用や大切な人への贈り物としてベンガル地方で非常に人気の高い手工芸品でした。しかし近年、機械製のキルトに取って代わられ技術の継承が危惧されていたことから、私たちは、この伝統技術をジョナキ・プロジェクトを通じて守り、継承することで女性たちの収入につなげていくことができました。
参加した女性たちに見られる成果

トレーナーの多くは当初、都市部(チッタゴン)から招いていましたが、後には研修を受けた女性たちの中から技術の向上が顕著な人材をトレーナーとして雇用し、主要なワークショップを任せられるまでになりました。
これまでにWEプロジェクトには130人以上の女性が参加し、そのうち50人以上が大きな恩恵を受けました。
モンワラは、一期生の絞り染めと縫製の受講者で、その後トレーナーとして活躍するかたわら、家族や友人だけでなく外部からの注文を受けた衣服制作が大きな収入源となり、家族の生活向上に貢献しました。
ジャイナブは裁縫コースの受講者で、ボランティアとしてメイントレーナーの補助を務める中で自身の裁縫技術もさらに磨き、授業の合間にプロジェクトのミシンを使って注文を受けた衣服を制作していました。その後、貯蓄で自分のミシンを購入し、現在は家庭の世話や育児と両立しながら、自宅で収入を得る自立した女性テーラーとして活動しています。
プロジェクトの目標達成とその完了にあたって
ジョナキ・プロジェクトでは、こうした女性たちが制作した製品をさまざまなプラットフォームを通じて販売してきました。ホームデコ用品からベビー服、伝統的なカンタに至るまで、女性たちの作品はエンパワーメントの意味を体現し、WEプロジェクトを成功へと導いてきました。
遠隔地にあるこの地域でコミュニティ開発に貢献するという私たちのビジョンは、多くの人々の人生に変化をもたらしました。女性たちは自分自身の大切さにより気づくようになりました。そして、次の世代の女性たちのために何かを生み出そうと、プロジェクトの拡大や発展について自ら企画して運営する力を身に着けました。女性たちは少しずつ、自分自身の夢を持つことを学んできました。
このような場を提供してくださったESAに心から感謝しています。このプロジェクトは完了しますが、今後もミシンなどの設備を生徒や、縫製工場に就職を望む村人のために活用して行きたいと思います。
