【オンライン】ダージリン同窓会 開催報告

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ESAファミリーとしてつながっている

インド・ダージリンのESA卒業生、Tiddooさんの声がけにより、昨年12月、暮れも押し迫った時期ではありましたが、オンラインESA同窓会が開催されました。

ダージリンから参加してくれたのは、卒業生や現役で支援を受ける上級生合わせて5名。
突然の企画ではありましたが、日本からの支援者のかたも参加してくださり、交流のときを持ちました。

Adrinaさん

支援先であるセントマイケル校に小学校から高校まで通い支援を受けていました。現在はダージリンから電車で2日かかる、ボパルという町の全寮制の看護学校で学んでいます。両親と姉の4人兄弟で父親は日雇い労働者、お姉さんはバンガロールで美容師をして働き、彼女の学費も一部支援しています。

「いつか支援を必要としている人々のために働きたい」と、勉強に励んでいます。勉強は大変ですが、実家にも年に一回しか帰らずに2023年の卒業を目指して頑張っています。まだ何科の看護師になるかは決まっていませんが、ダージリンの人々のために働き、生活が安定したら結婚よりも自分のように経済的な理由で進学が困難な学生の支援をしたいと話してくれました。

Sanskritiさん

現在全寮制の学校で日本語を習得中。覚えたばかりの日本語を一生懸命話してくれました
今夏に日本の企業の雇用され渡日予定。両親と4人姉妹の末っ子。父親は機械技術者としてシングラの紅茶農園で仕事をしていたが農園閉鎖で仕事を失ってしまいました。しかしワクチン接種が普及したのを契機に他の地域との行き来の規制が解除され、今はシッキムへ機械の修理工として出稼ぎに行き、家族を養っています。

Vidhanさん

支援先のセントメリー校出身。10年以上前に大学を卒業し、一時セントメリー校で教師として働いていましたが、現在はシッキムのキリスト教系学校で教師として働き、8~10年生に物理と科学を教えています。結婚し、妻と小学4年生の娘の3人家族です。

「自分のようにESAの支援があったから教育の機会を得、教師として働くことができている卒業生はたくさんおり、みんなESAの家族に見守られ育って来たので、日本のみなさまのことを思うと心が温かくなります。」

「紅茶農園の子どもたちは皆さんの支援がなければ学校に行くことができない子どもばかりです。ESAの家族として私たちを温かく迎えて下さり、本当に感謝しています。」とメッセージをくれました。

Preetiさん

ESAの支援で大学に進学しましたが、数年前、大学在学中に結婚し、現在はダージリンで小さな雑貨店を家族で経営し生計を立てています。現在も修士課程を修了するため勉強を続けています。とても幸せそうな様子でしたが、残念ながら、仕事の移動で車中での参加だったため、近況を詳しく聞けないまま電波が切れてしまいました。

Tiddooさん

今回の同窓会の発起人。6月に食糧支援を実施したシングラの紅茶農園出身。現在は結婚し、娘2人との4人家族。

ESAがダージリンで紅茶農園労働者の子どもたちの教育のために里子、里親の個人支援を開始してから33年になります。Tiddooさんは現在のシングラセントメリー校が建設される前の仮校舎で小学校に入学し、セントロバート校で高校を卒業、2005年7月に大学を卒業するまでの12年間、ESAの子どもとして学んでいました。その後、大学、大学院へ進学し、現在はカーセオンというダージリンから車で4時間ほど離れた公立学校で科学の教師として働く傍ら、ESA卒業生のリーダーとして様々な後輩たちを指導するボランティア活動を行っています。休暇中は母校で無償で補習授業を行ったり、生活に困窮している人々のための支援活動を行ったり、ESAの卒業生の模範として社会に貢献しています。

日々の暮らしができていることが
ありがたい

シングラの紅茶農園が閉鎖され、みんなの家族も職を失ったり大変ではないかとの参加者からの質問に対して、「ロックダウンの時より状況は良くなっています。シッキムに出稼ぎに行けるから最低限の生活は守られるようになりました。ただし移動ができない高齢者や小さな子どもがいる家庭は状況は改善されておらず厳しい生活が続いています」とのこと。

とにかく日々の暮らしができれば有難い、という彼らの姿勢に驚きながら、たくましさすら感じました。

ESAの支援先では、
自分が受けた支援はいつか誰かにお返しする、という教えを受けています。こうして育った卒業生たちの中にはそれぞれの形で底辺の人々のために貢献する人たちも出てきており、30年以上の関わりの成果がこうして形になっていることに胸が熱くなります。

ESAという家族がみんなで支え合いつながっていることを実感できた有意義な時間となりました。

今年度も、このような支援地とご支援くださるみなさまをつなぐ場を積極的に設けていきます。教育という、息の長い、でも、確実に地域社会の発展に寄与する人材を育てる活動に、ぜひご参加ください。ご支援、ご協力、お待ちしています。

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