ティドゥさんの話

支援地ストーリー

紅茶農園に住む子どもたち

「みなさん、セントメリー校の子どもたちが住む村人たちにどうか手を貸してください」

2021年5月、世の中がコロナでまだまだ混乱しているとき、ESA卒業生のティドゥさんから1通のメールが届きました。

セントメリー校は、ダージリンのシングラ村に1998年にESAが建設した学校です。ティドゥさんの出身地であるこの村の村人の大半が働く紅茶農園が閉鎖され、収入源が絶たれた上に、コロナ拡大によるロックダウンで季節労働にも行かれなくなりました。ティドゥは、村人たちの窮状を知り、公立校の教師として働いて貯めた自分の貯金をはたいて困窮している人々に食糧を届けましたが、自分一人では到底どうにもならないということで、ESAに支援要請が来たのです。

コロナ緊急募金で集まったお金で、ティドゥは現地の若者ボランティアに協力してもらい、貧困家庭280世帯にじゃがいもや玉ねぎ、オイル、トマト、豆、石鹸などを配布しました。

今回彼を突き動かす原動力となったものは何か。ティドゥは次のように話します。

「日本の皆さんが、遠くの子どもたちのために犠牲を払ってご支援くださっています。私は学生の頃、そんな皆さんに支えていただきました。そのときの感謝の気持ちを、今度は自分が誰かの笑顔のために行動し、働くことで表しているのです。それが私の喜びです。」

ESAの支援は息の長い支援ですが、巣立った子どもたちの中に、社会に貢献する、このような素晴らしい卒業生が生まれること、増えることは、活動する上での一番の喜びであり、成果です。

多くの皆さまとこの喜びをシェアできたら幸いです。

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