ダージリン訪問記 その2

支援地ストーリー

たくましく生きる人々

たくさんの素晴らしい卒業生に出会えたことは私たちに励ましと勇気を与えてくれた。親の大変な状況を目の当たりにしてきた子たちは、この苦しみから抜け出したい、家族を楽にさせてあげたいと懸命に頑張ってきた。大学、大学院へと進学する者や就職し立派に自分の足で歩み始めた者が多く出てきたことは私たちの誇りでもある。多くの卒業生が家族の稼ぎ頭として地方で働き、親や兄弟の面倒を見ている。努力をすれば人生を切り開くことができることを実証している彼らの存在は、後に続く子どもたちにとって大切なお手本となるだろう。しかし同時に、資格を取得しても就職口がないという彼らの困難とこの地域の社会問題を目の当たりにし、さらに胸を痛めた。

私たちに何ができるのか

私たちに何ができるのか、帰国後もずっと頭をよぎる。ESA のような小さな草の根レベルの組織にできること。JICA や大きな国際NGOのように地域レベルで劇的な変化をもたらす即効性はないが、私たちの地道な教育支援は、確実に一人ひとりの人生を豊かに変えることができる。そして彼らの力がいつかこの地域を変える力となるだろう。

愛を実践する人々

目の前に広がるダージリンの神々しい山々と紅茶農園の緑があまりにも美しいこの大地で、自然と共に生き、物を大切に扱い、家族の絆を大事に謙虚に生きる彼らから学ぶべきことも多かった。そして何より、村人と子どもたちの変化と成長を願い、根気強くきめ細かい働きかけをし、見守るシスターや先生たちの姿勢に心打たれた。「教育」の活動は「平和」への活動だという確信を持ち、あの人懐っこく、愛らしい笑顔の子どもたち一人ひとりが幸せを手にするまで、まだ私たちはこの地域の支援を手放しにはできない、と強く感じた。

人口14億人という混沌としたこの国を一つにまとめるのは不可能に近いし、まだ9割の人たちが様々な権利を奪われた状況にある。あと10年・・・。皆様にはどうか粘り強く支援を続けていただければと願っている。

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