バングラデシュ訪問記2023 その2

支援地ストーリー
卒業生は今

3月にバングラデシュのシレットを訪問した折、ESAが支援する各小学校に卒業生もたくさん集まり、ESAスクール同窓会のようでした。ムングラ小学校では徒歩圏内に新しくできた地元の中学校に進学した卒業生や、紅茶農園で働く母親も加わり、みんな口々にESAの小学校で学べたことがいかに幸運だったか語ってくれました。「遠くの学校だったら6ケ月も続く雨季には、体の小さな小学生は通うことができなかったし、制服も給食もなかった。」「先生たちの熱心な授業のおかげで、中学の授業についていくこともできた。」「この学校が茶農園の子どもたちの人生を明るいものに変えてくれた。」と。

ゴワバリ小学校にもESAから少額ながら奨学金を受けて中学、高校で学んでいる卒業生が15人ほど集まり、日本のESAの支援者のおかげで、中退せず目標に向かって学んでいることに感謝を伝えたいと、わざわざ作った記念の盾を持参し、将来の夢を熱く語ってくれました。

カラグール小学校の卒業生である3人の女の子たちは、小学校でしっかり勉強していたから、中学の勉強は少しも難しくないと感じています。茶農園で働く親を見て育った彼女たちは、それがどんなにつらい仕事かよく理解しているので、勉強して絶対に良い仕事に就きたいと断言していました。村に一番近い病院は5キロ先。そこで、このうち2人は少しでも村の人々の役に立てるような医者になりたいという夢を語ってくれました。

貧困、古い慣習などの多い中、中学、高校と進学して学んでいる様子や、将来の夢に向かって大学進学に備えている姿、そして自分で選んだ仕事に満足している1期生の様子を見て、19年前の開校当初の目標、「全員小学校卒業」との嬉しいギャップに大きな喜びを感じます。親たちがかなえられなかった公務員や看護師、エンジニアなどの職業に就く者が生まれ、地域の活性化につながるのが楽しみです。

フローレンス先生は幼い頃からムングラ小学校で学んだ5人姉妹の3女で、現在は結婚し3歳の男の子の母親ですが、息子の面倒を姑に見てもらいながら、教師を続けています。母校で教鞭をとることに大きな誇りを持っています。

フローレンス(写真右)3歳の息子とお姉さんと

訪問中、彼女の家に招かれて皆であぜ道を30分ほど歩いて行ったのですが、家の前には丸太がただかけてある橋が・・・。歳と重さと万が一の怪我を考え、ギブアップ。楽しみに準備していたフローレンスを落胆させてしまいました。

アイスキャンディーをプレゼント

今回の訪問で会った子どもたちの数は1000人余り。何か日本からお土産を持って行きたかったのですが、さすがこの数は無理ということで、アイスクリーム屋のおじさんに各学校に来てもらってご馳走しました。子どもたちはそれぞれ好きなアイスキャンデーを選んで大喜び!こうしたちょっとした経験が子どもたちの心の中によい思い出として残ってくれることを願います。

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